なぜ外付けSSDが必要なのか — 内蔵256GBはすぐに満杯

Mac mini / Mac Studioを購入してAIを動かし始めると、最初に直面するのがストレージ不足の問題です。Apple Siliconでは内蔵ストレージの後付け増設が不可能なため、購入時のストレージ選択が唯一の拡張チャンスです。しかし内蔵SSDのアップグレードは非常に高価です。

たとえばMac Studio M2 Maxで比較すると、512GBモデルから1TBモデルへのアップグレードは約3万円の差額があります。同じ3万円で外付けSSD 4TBが購入できることを考えると、内蔵よりも外付けSSDの追加の方が圧倒的にコスパが良いといえます。

主要なLLMモデルの容量目安を確認しましょう。

モデルパラメータ数Q4量子化Q8量子化
Gemma 3 / Phi-4-mini3B約2GB約3.5GB
Llama 3.1 / Mistral-7B7〜8B約4.5GB約8GB
Qwen 2.5 / Phi-314B約9GB約16GB
Qwen 2.5 / Mixtral32B約20GB約34GB
Llama 3.1 / Qwen 2.570〜72B約40GB約75GB
Llama 3.1405B約230GB

7Bモデルを3〜4種類、30Bを1種類、70Bを1種類試そうとするだけで、それだけで100GB以上が必要です。モデルのバリエーション(量子化違い含む)を管理するには、最低でも2TB、できれば4TB以上の外部ストレージが現実的な選択です。

インターフェース比較 — Thunderbolt 4 vs USB 3.2 vs USB4

外付けSSDの速度は接続インターフェースによって大きく異なります。LLMモデルの読み込み速度に直結するため、選択は重要です。

インターフェース理論最大速度実転送速度(実測)70Bモデル読み込みコスト感
Thunderbolt 4 / USB4 40Gbps40 Gbps2,500〜3,000 MB/s約15秒高め
USB 3.2 Gen 2x220 Gbps1,800〜2,000 MB/s約20秒中程度
USB 3.2 Gen 210 Gbps900〜1,000 MB/s約40秒手頃
USB 3.1 Gen 15 Gbps400〜500 MB/s約80秒安価

LLMの推論中はメモリ(Unified Memory)速度がボトルネックになるため、外付けSSDの速度が推論速度に直接影響することはありません。外付けSSD速度が重要なのは、モデルをメモリにロードする「起動時・切り替え時」の待ち時間です。

Ollamaは一度ロードしたモデルをメモリにキャッシュするため、同じモデルを連続使用する場合はSSD速度はほぼ関係ありません。複数モデルを頻繁に切り替える場合はThunderbolt 4が快適ですが、1〜2種類のモデルを中心に使う場合はUSB 3.2 Gen 2で十分です。

容量の選び方 — LLMモデルサイズ一覧から逆算する

外付けSSDの容量は、使用するモデルの種類と数に応じて選択します。以下の目安を参考にしてください。

2TB:入門〜中級ユーザー向け

7B〜30Bクラスのモデルを10〜15種類保存できます。「Llama、Mistral、Qwen、Gemmaを試したい」という入門〜中級ユーザーには十分な容量です。70BモデルをQ4(40GB)で1〜2本保存する余裕もあります。OpenClawで日常的なAI作業をする程度であれば、2TBで1〜2年は快適に使えます。

4TB:本格運用ユーザー向け

70Bクラスを複数バージョン、30Bクラスを多数保存できます。「量子化レベルを比較したい」「新しいモデルが出るたびにすぐ試したい」という本格的なユーザーに最適です。外付けSSD1本で済むため管理が楽で、コストパフォーマンスも2TB×2本より優れています。

8TB以上:プロ・研究者向け

405BクラスのLlama 3.1(Q4で約230GB)を含む大規模モデルや、ファインチューニング済みモデルを大量に管理するプロフェッショナル向けです。HDDベースのNAS(ネットワークストレージ)と組み合わせる方法も有効で、アーカイブ用にHDD、作業用にSSDという使い分けが一般的です。

おすすめの選び方ポイント

外付けSSDを選ぶ際の実践的なポイントをまとめます。

  • NVMe + Thunderbolt 4エンクロージャー構成:NVMe M.2 SSD(単体)+Thunderbolt 4対応エンクロージャーの組み合わせが、コスパと速度のバランスが最も良い。単体SSDは安価で容量拡張も自由
  • 既製品のポータブルSSD:Samsung T7 Shield(USB 3.2 Gen 2)やSamsung T9(USB 3.2 Gen 2x2)は信頼性が高く扱いやすい。ただしThunderbolt 4製品と比べると速度は劣る
  • バスパワー対応か確認:Mac miniのUSBポートからの給電で動作するバスパワー対応モデルなら、電源アダプター不要で設置がシンプルになる
  • 発熱への注意:24時間稼働のAIサーバーとして使うMacでは、SSDの発熱も考慮する。金属製のエンクロージャーは放熱性が高く長期稼働に向いている
  • APFS対応確認:macOSのAPFS(Apple File System)はデフォルトで外付けSSDに対応。Time Machineなどのバックアップ用途にもそのまま使える

Ollamaのモデル保存先を外付けSSDに移す方法は、シンボリックリンクを使うのが最もシンプルで確実です。以下の手順で設定できます。

# 1. まずOllamaサービスを停止
ollama stop

# 2. 既存のモデルディレクトリを外付けSSDに移動
#    /Volumes/MySSD を自分のSSD名に変更してください
mv ~/.ollama/models /Volumes/MySSD/ollama-models

# 3. シンボリックリンクを作成
ln -s /Volumes/MySSD/ollama-models ~/.ollama/models

# 4. Ollamaサービスを再起動
ollama serve

LM Studioの場合は、アプリの設定画面から「Model Storage Location」を外付けSSDのパスに変更するだけで完了します。コマンドラインは不要です。

注意事項:

  • Macを起動するよりも前に外付けSSDを接続しておくこと。起動後に接続すると、Ollamaが~/.ollama/modelsを見つけられず内蔵SSDに新しいmodelディレクトリを作成してしまう場合があります
  • 外付けSSDが未接続のままOllamaを起動しないよう、シンボリックリンクが壊れた状態でのエラーに注意してください
  • Mac Studioなど24時間稼働の場合は、Ollamaをlaunchdサービスとして登録し、SSDマウント後に起動するよう設定することで自動化できます

適切なスペックのMacをお探しなら商品一覧をご覧ください。ストレージ容量でフィルタリングして、コスパ重視で外付けSSDを活用できる構成を選ぶことをお勧めします。